ジャージー島から来た歴史の欠片 / Antique Mid Victorian Picture Frame

英国アンティーク、ミッドヴィクトリアンのピクチャーフレーム。



英国のマーケットで手に入れた、ピクチャーフレーム。


ブリティッシュ・ロココを感じさせる重厚感ある佇まいは、小さいながらも存在感に溢れており、どうしても手に入れたくなってしまいました。構造的にはベースが木製、周囲の飾り部分は恐らく石膏の型取りで、ヨーロッパの伝統的な額の作り方といえそうです。これに金彩(ゴールドギルド)を施す場合が多いのですが、このお品物は杢目をいかしつつ全体がダークな色合いで仕上げられていて、独特の世界観が感じられます。

裏を返せば、裏貼りに使われていたであろう印刷された紙の断片をみることができます。

この断片から、由来を辿ってみることにいたしましょう。


まず、一番上には「DUBR?UIL'S」の文字。その次は「AMBROTYPE」かと思います。

この「AMBROTYPE/アンブロタイプ」は英国のフレデリック・スコット・アーチャーが1851年に発明した技法。コロジオンポジとも呼ばれ、ガラス板ネガをそのままポジとして見る写真の事で、光のあたったところが灰白色になるので、ガラス板の下に黒い布などを敷くとポジ像として見えてくるものです。つまり、このフレームにはもともとは「アンブロタイプ」が嵌められていたと思われます。

フレームの下側には「?IRST DOOR IN PETER STREET」「・・・CONNEXION WITH ANY OTHER IN THIS ISLAND」の文字。
多分初めの単語は「FIRST」でしょう。1851年以降、PETER STREETにスタジオもしくは店舗があった、写真スタジオ。そしてロケーションは「島」。


以上の事から、「Dubreuil/デュブルイユ」という写真家にいきあたります。
お店の場所は英国王室属領、ジャージー島。

「Jerripedia/ジェリペディア(ウィキペディアのジャージー島版・・・多分)」によれば、デュブルイユはジャージー島のPETER STREETに1862から1868年の間に店をオープンさせています。


参考:Jerripedia「Photography」の頁(半ばあたりにデュブルイユによる写真があります)
https://www.theislandwiki.org/index.php/Photographers



ジャージー島、正式には「ジャージー代官管轄区 /Bailiwick of Jersey」はイギリス海峡のチャンネル諸島のうち、ジャージー島のほかマンキエ諸島やエクレウ諸島などにより構成される英国王室属領のこと。

英国王室属領とは、日本でいう都道府県的な英国の州(ちょっと違いますけど)のどこにも属さず、さらに「United Kingdom」にも属さない、英国王室の属領として位置づけられた特別な区域のこと。しいて言えば、例えば八丈島が日本には属さないけど天皇陛下が直接治めてる、という感覚でしょうか?(違うかもしれません)日本の感覚ではとても説明しきれない立場の区域です。高度な自治権をもち、独自の議会や当局を持っています。税制も異なりますので、ジャージー島は「タックスヘイブン」としても有名。英国の法律なども及ばず、なんと1813年から自前の通貨すら発行しております。もちろん英国のポンドも使えますが、ジャージーのお金は英国本土では使用できない、という制限付き。

地理的にはブリテン島とフランスの間のチャネル海峡に在り、かなりフランス寄りにあります。歴史的にも地理的にもフランスと英国の文化が交じり合った独特の文化をもっています。

「Dubreuil/デュブルイユ」はフランスに多い名前ですので、おそらく彼はフランス人で、ジャージー島で写真家として活動していたのではないでしょうか。

デュブルイユ写真館で撮影したアンブロタイプを額に入れ、飾っていたのはどんな人だったのでしょう。当時大変高価であった写真の被写体はご自身か、それとも大切な人か。ガラスで出来たアンブロタイプが失われてしまった後も、フレームだけが残って当時の様子を伝えてくるようです。


ジャージー島から来た歴史の欠片。
アンティークならではの物語を持つ、小さなフレームに貴方は何を嵌めるのでしょうか。



こちらからも画像をご確認いただけます。


◆England(Jersey)
◆推定製造年代:c.1860-1880年代頃
◆素材:木、石膏、他
◆サイズ(外寸):約17.2×18.6cm 厚み約1.3cm(吊り金具は除く)
◆サイズ(窓寸):約8.3×9.7cm
◆サイズ(内寸):約10.4×11.4cm
◆重量:158g
◆在庫数:1点のみ


【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色や材の欠け等がみられます。
*飾り部分は一部にひび割れがみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。

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ジャージー島から来た歴史の欠片 / Antique Mid Victorian Pucture Frame

122-100

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11月3日(日)
大江戸骨董市
有楽町東京国際フォーラム

**ご来場有難うございました**


11月9日(土)
Marunouchi Antique Market
丸の内仲通り
丸の内二丁目ビル前

**ご来場有難うございました**


11月10日(日)
大江戸骨董市
有楽町東京国際フォーラム

**ご来場有難うございました**


11月16-17日(土日)
谷中骨董市
延命院(前庭・駐車場)
東京都荒川区西日暮里3-10-1
10-16時
(16日は当店は15時まで)
天候により中止あり
(出店確定)


12月1日(日)
大江戸骨董市
有楽町東京国際フォーラム
9-16時
当店は14時撤収開始
天候により中止あり
(出店予定)


12月7-8日(土日)
谷中骨董市
延命院(前庭・駐車場)
東京都荒川区西日暮里3-10-1
10-16時
(7日は当店は15時まで)
天候により中止あり
(出店確定)


12月15日(日)
大江戸骨董市
有楽町東京国際フォーラム
9-16時
当店は14時撤収開始
天候により中止あり
(出店予定)


【ご注意】
大江戸骨董市は終了時刻が16時ですが、当店は手持出店のため、終了時刻には全て片付けている状態の完全撤収が求められています。当店は細かい物が多く時間がかかるため、2時間前には撤収を開始いたしますので、どうかご了承ください。大江戸骨董市はお早めのご来場をおすすめいたします。