船乗り王の時代から世紀を超えて/ Antique William IV Small Tilt Top Table

英国アンティーク、マホガニー無垢材で出来たウィリアム四世様式の小テーブル。





英国中東部にある小さな町。

郵便局にコープ(スーパーマーケット)。パブと中華料理店、フィッシュバー(フィッシュ&チップスの店)が一軒づつ。そんな英国の小さな町を絵にかいたような村役場のホールで、時折アンティークフェアが開かれます。小さなアンティークフェアは英国のあちこちであるのですが、ここのフェアはクオリティが高いものが多く、買い付けで訪れる際に日程があえば、必ずお邪魔するようにしています。



今回訪問時に、真っ先に目に留まったのがこのテーブル。

会場中央に版画や小物に交じり並べられておりました。販売していたのは白髪交じりの明るい髪色をした優し気な英国紳士テーブルに興味をもつ私たちをみて、嬉しそうに説明をしてくれました。

「Very Old Mahogany Tilt Top Table. Probably Apprentice Piece ?...1830'S or more old .」


Tilt Top Table/ティル(ティップ)トップテーブルとは、天板を垂直に傾けることができる1本足のテーブルのこと。古くからあり、もともとはそれほど大きくなく、お茶や朝食時に使うものでした。使わない時は立てておけば場所をとらず、使う時には天板を倒して使うように考えられたものです。
19世紀にはかなり大きなものも作られるようになり、ディナーにも使われるようになりました。天板はシンプルな物から、立てたときに鑑賞できるよう、凝った象嵌細工が施されたものまで幅広いバリエーションがみられます。

「天板をたたんで小さくなる」テーブルには他にゲートレッグテーブルがありますが、ゲートレッグテーブルはどちらかといえば庶民的。ゲートレッグテーブルをより洗練させたサザーランドテーブルやティルトップテーブルは、材はマホガニーやウォールナットが多く、高級品が多いように思います。


そして「Apprentice Piece/アプレンティスピース」とは試作品のこと。「APPRENTICE/アプレンティス」が「見習い、初心者」などという意味ですので、大きな家具を作る前に小さくお試しとして、もしくは見習いや弟子が勉強用として作ったものに使われる言葉です。アプレンティスピースはそれほど多く作られるものではないため珍しく、ほとんどが小さくて保管しやすいため、アンティーク市場ではとても人気があるアイテムの一つです。

今回のテーブルは高さが30cmほどしかないため、大きなテーブルを作る前の試作品の可能性が高いと思われます。


また、時代的にも様式的にもこのテーブルは「 William IV/ウィリアム四世」様式といえます。ウィリアム四世(1765-1837)とは在位はわずか7年間(1830-1837)の、ヴィクトリア女王の前の君主。青年時代海軍に勤務していたため、後に「船乗り王」(Sailor King)の愛称で親しまれた王です。

この時代に作られた家具とその様式はウィリアム四世様式とよばれ、その前のジョージアン様式によく似た特徴を持っています。よく言えば通好み、悪く言えば地味。

それでも、繁栄する華やかなヴィクトリア時代の前夜、真面目で誠実だったといわれるウィリアム四世の人柄を反映したようなシンプルかつ上質なウィリアム四世様式は、英国家具史のなかで確実な1頁として認識されています。



そんな認識をもってこのテーブルを眺めてみましょう。

デザインは「 William IV/ウィリアム四世」様式らしくシンプルかつ上品。中央に嵌め込まれたマザーオブパールが唯一の意匠といえるかもしれません。

それでも、マホガニーの無垢材を誇るようにエッジは艶やかな曲線を描き、天板にはマホガニー独特の黄金色ともいえる杢目が浮き出ています。
もちろん支柱やベース部分の無垢のマホガニー。ウィリアム四世様式のティルトップテーブルにしばしばみられる「Circular platform base(円形台座)」が特徴の一つとなっています。



大きさ的に食事は無理としても、ソファ用のミニテーブルとして十分実用にお使いいただけます。
もちろん存在そのものが美しいので、家具好きな方であれば並べておくだけで十分目を楽しませてくれることでしょう。



はるか200年近い時を経て、私たちのもとに届けられた小さなテーブル。

誰が何の目的で作ったのか。
誰がどうやって使ってきたのか。

艶やかに光る天板をみれば、さぞ大切にされてきたであろうことは想像に難くありません。

これからは是非貴方のお手元で。
更なる世紀を超えていくために、繋がる歴史にご参加ください。




こちらからも画像をご確認いただけます。


◆England
◆推定製造年代:c.1830年代頃
◆素材:マホガニー、MOP、他
◆サイズ:天板直径約34.8cm ベース直径約22cm 天板水平時高さ約30cm 天板垂直時高さ約48.8cm
◆重量:約2.75g
◆在庫数:1点のみ


【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、補修跡、材のワレや欠け等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*天板可動式のテーブルの常として、天板と支柱の関係は揺らすとわずかにカタつきますが、通常にご使用いただく分には気にならないレベルかと思います。
*支柱には一部にワレが、丁番部分には一部に材の欠けがございますが、強度的に問題ないものと判断いたしましたので、このままのご紹介とさせていただきます。
*天板の傾きを抑えるための貫用の穴には、買い付け当時からクッション材が詰められていました。これもこのままの状態でお届けいたします。
*仕上げはアンティーク家具に使われるニス使いのフレンチポリッシュです。熱や水に弱い塗装ですので十分ご注意ください。
*お茶やお酒を愉しむ際は食器を布を敷いたトレイに乗せることをお勧めいたします。
*基本は乾拭き、たまにワックスでのお手入れをお勧めいたします。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。

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船乗り王の時代から世紀を超えて/ Antique William IV Small Tilt Top Table

322-061

98,000円(内税)

購入数

CONTENTS

出店カレンダー

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2024年12月
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11月3日(日)
大江戸骨董市
有楽町東京国際フォーラム

**ご来場有難うございました**


11月9日(土)
Marunouchi Antique Market
丸の内仲通り
丸の内二丁目ビル前

**ご来場有難うございました**


11月10日(日)
大江戸骨董市
有楽町東京国際フォーラム

**ご来場有難うございました**


11月16-17日(土日)
谷中骨董市
延命院(前庭・駐車場)
東京都荒川区西日暮里3-10-1
10-16時
(16日は当店は15時まで)
天候により中止あり
(出店確定)


12月1日(日)
大江戸骨董市
有楽町東京国際フォーラム
9-16時
当店は14時撤収開始
天候により中止あり
(出店予定)


12月7-8日(土日)
谷中骨董市
延命院(前庭・駐車場)
東京都荒川区西日暮里3-10-1
10-16時
(7日は当店は15時まで)
天候により中止あり
(出店確定)


12月15日(日)
大江戸骨董市
有楽町東京国際フォーラム
9-16時
当店は14時撤収開始
天候により中止あり
(出店予定)


【ご注意】
大江戸骨董市は終了時刻が16時ですが、当店は手持出店のため、終了時刻には全て片付けている状態の完全撤収が求められています。当店は細かい物が多く時間がかかるため、2時間前には撤収を開始いたしますので、どうかご了承ください。大江戸骨董市はお早めのご来場をおすすめいたします。