ノルマンディーとイングランドを見極める物見の塔 / Observatoire de la Tour Pointue






小さな尖塔の形をした、フランス・アンティーク。

わずか22cm程度の小さな塔。
石造りを模した外観に、鱗瓦のとがった屋根。
ブロンズ製のようなずっしりとした金属でできていています。

尖塔の頂上は外れるようになっていて、1本の紐が小さな紙製の円筒を吊り下げています。そこに描かれているのは、とんがり帽子の魔女と薄茶色の胴衣をきた僧侶、そしてその中間にクエスチョン・マーク。

・・・いったいこれは何なのでしょうか。

塔の土台部分には以下の文字が見られます。

「Modele Depose」
「MADE IN FRANCE」
「Observatoire de la Tour Pointue」

まず、「Modele Depose」とは意匠登録のこと。
そして「Observatoire de la Tour Pointue」は「尖塔の展望台」といったような意味となります。

1900年代頃に作られたと思われるこの小さな塔は、
別名「Tour du guet de Malborough/マルボロの物見塔」ともよばれる、「晴雨計」なのです。


日本にも「照り降り人形」というものがあることをご存知の方は多いと思います。二つの人形が出たり入ったりをすることで、翌日の天気を教えてくれる、という民芸品です。機構はあきらかにされていませんが、毛髪を使用した紐が中に入っており、その伸縮で人形を動かしているという説がございます。


湿度が高くなってくれば天気は下り坂。

湿度が低ければ、お天気。


この塔に使われている紐にも同じような作用があり、下の円筒が回ることによって晴雨計としての役割を果たしていたと思われます。

本来は、円筒の底部分と、塔本体の底に紐(もしくはワイヤ)が張られていて、円筒の動きをコントロールしていたようですが、残念ながらその部分の紐は失われているため、正確な(?)晴雨計としての役目は果たせそうにありません。


ただ、塔の存在感は圧巻。「マルボロの物見塔」とよばれる由来をご説明いたしましょう。


イングランド、オックスフォードのブレナム宮殿に「マルボロ公の戦勝記念塔」がありますが、それとは別物。

イングランド南西部、ウィルトシャー/Wiltshireにマールボロ/Malboroughという町があります。
キャサリン妃が学んだことで少し有名になったマールボロ・カレッジがある町。

マールボロ・カレッジ構内にある丘は「The Marlborough Mound」とよばれ、古くから存在し「魔法使いの丘」とも呼ばれるミステリースポットでもあります。その丘を囲むようにノルマン人が城を作り始めたのは1068年。

そしてそこはノルマンディー公でもあったヘンリー1世をはじめ、王の居城となることとなります。

長い歴史の中でその城はもう存在していませんが、マールボロ・カレッジの前歴史講師 H C Brentnall氏の20年におよぶ研究をもとに、前美術講師 Christopher Hughe氏が描いた「マールボロ城とその周囲の建造物」がこちら。



この周囲の塔は、今回ご紹介している塔にそっくりです。

中世のマルボロ城、きっとそこには様々な争いがあったことでしょう。

イングランドとノルマンディーの血なまぐさい戦もあったかもしれません。


19世紀の終わり頃にこの晴雨計を設計したフランス人は、どのような気持ちで「マルボロの物見の塔」をモチーフとしたのでしょうか。

正対し目に見えない力で駆け引きを行っている魔法使いと僧侶は、フランスと英国を表しているのかもしれません。

塔の一番上で望遠鏡を片手に身を乗り出している男は、なにを表しているのでしょうか。戦局を見極め、さてどっちにつこう、と様子を伺う領民でしょうか。


そんな想像が溢れでる、フランス・アンティークの逸品。

お手元においてそっと見守れば、いつのまにか正確な天候を指し示す日がくるかもしれません。
その機構は失われているにも関わらず・・・。


イングランドとノルマンディー、英国とフランスの歴史とミステリーを抱えた小さな塔をぜひお手元で愛でてみてはいかがでしょうか。



*スマートフォン等でご覧の方は、こちらから拡大画像をご確認いただけます。


◆France
◆推定製造年代:c.1900年頃
◆素材:金属
◆サイズ:直径約6.3cm 高さ約22.3cm
◆在庫数:1点のみ


【NOTE】
*古いお品物ですので、多少の汚れや小傷、紙の劣化などがみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*ご説明に記されている以外の、大きな欠損はみあたりません。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承のうえ、お求めください。

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916-253

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谷中骨董市
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(16日は当店は15時まで)
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12月1日(日)
大江戸骨董市
有楽町東京国際フォーラム
9-16時
当店は14時撤収開始
天候により中止あり
(出店予定)


12月7-8日(土日)
谷中骨董市
延命院(前庭・駐車場)
東京都荒川区西日暮里3-10-1
10-16時
(7日は当店は15時まで)
天候により中止あり
(出店確定)


12月15日(日)
大江戸骨董市
有楽町東京国際フォーラム
9-16時
当店は14時撤収開始
天候により中止あり
(出店予定)


【ご注意】
大江戸骨董市は終了時刻が16時ですが、当店は手持出店のため、終了時刻には全て片付けている状態の完全撤収が求められています。当店は細かい物が多く時間がかかるため、2時間前には撤収を開始いたしますので、どうかご了承ください。大江戸骨董市はお早めのご来場をおすすめいたします。